生物科学の発展には、生命現象を分子細胞系として分析的に捉える研究とも に、「生物を多様性、生物間および生物−環境の相互作用の観点から総合的に捉えようとする研究」も欠かせません。私たちはこの立場から「生物多様性・分
類・生態リサーチユニット」を立ち上げました。筑波大の生物系専攻は、生物多様性学、生態系研究において伝統的な蓄積があり、多様な生物群を対象とし「生
物多様性・分類・生態」に関わる研究を精力的に展開してきました。ユニットの研究の発展は、生物科学のみならず、現代社会が抱える諸問題(地球環境悪化、
災害、エネルギー問題など)を解決するのに不可欠な生物環境系のデーターを提供することにもなります。ユニットは生物科学専攻を中心に、持続環境学専攻、
環境バイオマス共生学専攻などを担当する教員から構成されます。H25〜H30年度、菅平高原実験センターは教育関係共同利用拠点「ナチュラルヒストリー
に根ざした森と草原の生物多様性教育拠点」認定されましたが、これは本リサーチユニットの活動の一部として実施されています。また、細胞内共生よる生物同
士の相互作用、進化機構を解明を目指すH23〜H27年度新学術領域研究「マトリョーシカ型進化原理」や頑健な昆虫類の高次系統構築を目指す国際プロジェ
クト「1000種昆虫トランスクリプトーム進化プロジェクト (1KITE)」にもユニットメンバーは参画しています。